The 16th Annual Japanese Language Speech Contest was held on Saturday, January 22nd, 2005 at St. Edwards University in Austin. The contest was organized by The Consulate-General of Japan at Houston and Japan-America Society of Greater Austin.

Michael Baik made 5th place in Division I (college students and adults).

by マイケル・バイク

私の父と日本

私はアメリカ人です。しかし、私自身はアメリカのみでなく、韓国の文化や価値観からも大きく影響(えいきょう)を受けていると思います。「では、あまたはどんな人なのですか?」と聞かれれば、「私はハンバーガーとキムチ両方が好きな人間です」、と答えるでしょう。近頃(ちかごろ)は、その答えに「みそ汁」もくわわりました。そうです、私は日本語とその文化にも、とても興味があるのです。

私が父に日本について話すと、父は必ず話をさえぎって「日本のどこがそんなにいいんだ」と言います。そんな時、彼の言葉からは、とげとげしさを感じます。

それは、そのはずです。日本と韓国には、にがい過去があるのですから。  

日本に留学する前から、このような偏見(へんけん)があることは知っていました。そのため、私は韓国人ということで、何らかの差別をうけるだろうと覚悟(かくご)をしていました。しかし、現実はまったく違うものでした。日本の多くの方たちは、とてもやさしく、その上、韓国人とアメリカ人である私に大変興味をいだいてくれたのです。

あまりにも日本での滞在(たいざい)が楽しかったため、家族にも遊びにきてもらうことにしました。清水寺の桜を見たり、新宿のネオン街を歩いたり、私たちは日本中を旅しました。日本旅行の中で、一番、印象的(いんしょうてき)な体験は、私の家族とホストファミリーで一緒に食事をしたときです。英語で会話をしたにもかかわらず、すぐに打ちとけ、会話を楽しむことができました。

後に家族もホストファミリーも、あの時はすばらしい時間だった、と話してくれました。いまだに両親は日本のすばらしさについて話し、もっとも感動したのは日本人ともふれあいだったと話しています。また、普段、韓国人と触れ合うことの少なかったホストファミリーも楽しかったといってくれます。人は飲んで、語り、笑うだけで、心をこんなにも近づけることができるのです。

この体験より、ステレオタイプで人を判断するのでははく、純粋(じゅんすい)に相手の文化に飛び込み、意見を交換することで、本当の意味で相手の文化を知ることができると学びました。

考えを伝え、コミュニケーションをとることにより、友情や相互理解(そうごりかい)が深まるのです。このことは、より大きな形で見ることができます。2002年のワールドカップは2カ国の関係を予想以上に近づけました。文化活動においては、日本人のロックバンド、X-Japanは韓国でとても人気があり、韓国の俳優ペ・ヨンジュンは日本でブームをおこしています。私は韓国人と日本人とのふれあい、または、ほかの国の人たちとのふれあいが増えることによって友情や相互理解が深まると、強く信じています。

私は韓国と日本との将来に希望をもっています。最近の新聞記事によると、大多数(だいたすう)の日本人が韓国人のことを「友人」だと思っているそうです。また、先ほど話した父は、今では私が日本について話すと「ああ、日本か。いつかまた行きたいな」と、いうようになりました。韓国と日本は一歩づつ歩み(あゆみ)よっているのです。